衛生管理者になるには? 必要な資格や費用について

ここでは、学生から主婦、社会人まで衛生管理者を目指している人のために、衛生管理者になるにはどんな方法があるのか?どのくらいの費用がかかるのか?について説明しています。

衛生管理者とは?

衛生管理者とは厚生労働省の管轄する国家資格の一つです。食品衛生管理者と混同されることもありますが、両者はまったく別の資格になります。

事業所の衛生全般を管理する仕事であり、衛生的な視点からの労働環境の改善や疾病の予防などを担当します。一定規模以上の事業所には衛生管理者の資格・免許所持者をおく必要があります。

衛生管理者になるには

衛生管理者になるためには、衛生管理者国家試験に合格しなくてはいけません。受験資格を満たすには様々な条件があり複雑なのですが、基本的には高校・大学などを卒業した後、労働衛生に関する仕事の実務経験を積む必要があります。

なお、衛生管理者の資格・免許には「第一種」、「第二種」、「衛生工学」の3つの種類がありますが、ここでは受験者の多い「第一種」、「第二種」の免許を中心に解説します。

受験資格について

衛生管理者試験の受験資格は様々なケースが定められているので、詳細は安全衛生技術試験協会のホームページをご覧ください。

一般的に適用者の多い受験資格としては、「大学・短大・高専などを卒業後に1年以上の労働衛生の実務経験」や「高校または中等教育学校卒業後に3年以上の労働衛生の実務経験」などがあります。基本的には「労働衛生の実務経験」が重要になってきます。

労働衛生の実務経験について

労働衛生の実務経験については、上記で紹介した安全衛生技術試験協会のホームページ内にある申請書類(PDFファイル)内に具体的な記載があります。実務経験に該当するのは以下の13項目です。

  • 健康診断実施に必要な事項又は結果の処理の業務
  • 作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務
  • 作業条件、施設等の衛生上の改善の業務
  • 労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備の業務
  • 衛生教育の企画、実施等に関する業務
  • 労働衛生統計の作成に関する業務
  • 看護師又は准看護師の業務
  • 労働衛生関係の作業主任者としての業務
  • 労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究の業務
  • 自衛隊の衛生担当者、衛生隊員の業務
  • 保健所職員のうち、試験研究に従事する者の業務
  • 建築物環境衛生管理技術者の業務
  • その他(申請時に内容を記入する)

試験内容について

試験はマークシート方式の筆記(学科)試験のみです。実技試験や講習などは実施されません。試験内容は「労働衛生」、「労働生理」、「関係法令」の3つの分野に分けて出題されます。試験時間は3時間です。

試験場所・試験日時について

衛生管理者国家試験は、毎月1回程度の頻度で実施されていますが、試験場所は全国で7箇所(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州)しかありませんので、郊外にお住まいの方は注意しましょう。

専門学校・スクールについて

衛生管理者の試験合格をターゲットにした講座を開設している専門学校やスクールはほとんどありません。書籍などを利用して独学で勉強するか、下記で説明している通信講座などを利用して試験勉強をすることになるでしょう。

通信教育・通信講座について

衛生管理者の通信講座は3ヶ月から6ヶ月程度のコースが一般的です。スクーリングなどはなく、テキストやDVDを使った自主学習や添削課題の提出が中心となります。費用は3万円から5万円ぐらいが相場です。

中卒で衛生管理者になるには

第一種衛生管理者、第二種衛生管理者の資格試験の受験資格には様々なものがあります。その条件の中には実務経験のみ(10年以上の労働衛生の実務)で受験資格が得られるものもあるので、かなりの年月が必要ですが、中卒者でも衛生管理者になることは可能です。

社会人から衛生管理者になるには

社会人や主婦が衛生管理者を目指す場合は、労働衛生の実務経験の条件を満たす点がネックになるでしょう。労働衛生に関する仕事に従事している人であれば問題ありませんが、そうでない仕事に就いている人の場合は、働きながら資格取得を目指すことは難しいかもしれません。

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